予約なしでドアを叩いたあの日の勇気

著者 : 문철 원장2026年8月3日 11:58 1
Truman Customer Story Column

予約なしでドアを叩いたあの日の勇気

ある日、予約もなしに病院のドアを開けて入ってこられた方がいらっしゃいました。

何年も悩むだけだったのが、その日はなぜか勇気が出て、そのまま来られたとおっしゃいました。私はその足取りがとても尊いと思います。女性化乳房の悩みは、たいてい「いつかは」という言葉の後ろに隠れて何年も先延ばしにされるからです。

 

その日すぐにカウンセリング室のドアが開きました

この方は感想にこう書かれました。

Two Nurses Attending Male Customer 202607301625

「予約をせずに行ったにもかかわらず、親切にカウンセリングと診療をしてくださった。」

勇気を出して来た日、その気持ちが冷める前にお話を聞いて差し上げること。私どもが当然すべきことです。もちろん予約をしてお越しになれば待つことなくより余裕をもってカウンセリングを受けられますが、やっとの思いで出した勇気なら、その日そのままお越しになっても構いません。

私はカウンセリングが手術同意書をいただくための手続きだとは思いません。患者さんが気になっていることを完全に理解されるまで、必要であれば同じ話を何度でも説明し直します。緊張をほぐす一番良い方法がそれだと思うからです。不安で緊張したお気持ちがある程度ほぐれたことを確認したあとに手術室へお連れします。

 

一番大きかった心配、痛みについて

手術前にこの方が最も心配されていたのも、やはり痛みでした。ところが手術を終えたあとにはこう書かれました。

「手術後の痛みが一番心配でしたが、いざ経験すると痛くなかった。」

もちろんこれはこの方の場合です。痛みを感じる程度と回復の速さは人によって異なり、ある程度の不便感が伴う方もいらっしゃいます。ただ、心配の中で描いてみた痛みと実際の経験のあいだの距離が思ったより遠かったというお話は、診療室でよく聞くようになります。

痛みについてはこのようにご説明します。女性化乳房の手術は乳輪の周りに局所麻酔の注射を打つ部分麻酔で行い、患者さんが最後に聞く言葉は「チクッとします、この部分だけ我慢してください」です。実際の手術時間は30分ほどですが、長年積み重ねた手術ノウハウで時間を大きく短縮し、手術時間が短いほど患者さんにとってより安全です。手術後の痛みもたいてい2〜3日のうちにかなり和らぎ、その後は大きな痛みを訴えられる方はまれです。

 

回復室で聞いた一言

手術を終えて目を開けたとき、どの瞬間が記憶に残るかをお尋ねすると、この方は「『手術うまくいった』という言葉が記憶に残ります」とおっしゃいました。

手術台に上がるまでの緊張を知っているからこそ、私どもはその一言を惜しみません。患者さんには、何年も積もった悩みが終わったという合図だからです。

 

運動、そしてその次

この方は手術後にしたいこととして運動を挙げられました。そして同じ悩みを抱える方へは、少し大変でもやってみると良いという趣旨のお言葉を残されました。もちろんこれもこの方の経験から出たお話であり、手術を受けるかどうかは診療を通じてご自身の状態を確認したうえで判断されればよいのです。

私は手術が終わりだとは思いません。むしろ手術前より手術直後からより細やかに管理して差し上げようとし、その後も長く経過を一緒に見ます。問題が生じたときにいつでも相談すれば解決するという信頼を差し上げることが大切だと考えています。

何年もおひとりで悩んでいらっしゃるなら、予約があってもなくても、一度お越しになってお話しから交わしてみればと思います。対話を始めるその時点から悩みは整理され始めます。