Truman Customer Story Column
「相談のときに聞いたとおりに進みました」
手術前の相談で申し上げたことと手術後の結果がどれほど合っていたかは、患者さんが直接確認できる項目です。相談で言葉を慎まなければならない理由もここにあります。
今日ご紹介する方は、手術に関して記憶に残ったこととしてこう書いてくださいました。
「相談のときにおっしゃったとおりに手術を進めてくださったようです」
先に答えを申し上げると、女性化乳房の相談で決めるのは結果ではなく範囲です。乳腺組織をどこまで切除するか、脂肪吸引をどの層まで行うか、乳輪の下に組織をどの程度の厚さで残すか。
この範囲が形をつくります。乳腺組織の割合が高い方に脂肪吸引だけを行うと、硬いしこりがそのまま残り、触ると手に当たります。反対に乳腺組織を残さずすべて取り除くと、乳輪の下が押されたお皿のようにへこみます。陥没変形です。そのため縁は周囲の脂肪層とつながるように傾斜をつけて整え、大胸筋の上にゆるやかな曲線が残るように仕上げます。
手術前にこの設計をご説明し、手術でそのとおりに進めるのが基本です。ただし、組織を開けてみると予想と異なる場合があり、範囲をその場で調整しなければならないこともあります。その可能性まで相談で一緒にお伝えします。

手術前の心配としては、こう書いてくださいました。
「副作用が起きないか心配でした」
女性化乳房の手術で実際に管理が必要な項目は、出血と血腫、漿液腫、左右の非対称です。頻度が高くないからといって、起きないと申し上げられる項目ではありません。
私の場合は、手術中に止血を十分に確認してから終え、手術後は圧迫着の着用と経過観察の日程を一緒にご案内します。圧迫着は窮屈ですが、組織を取り除いた場所にできた空間を押さえて、体液が溜まる余地を減らす役割をします。不便だからと早く脱ぐと、その場所がまた開いてしまいます。
手術後の経過は、おおむね順序どおりに進みます。1週間ほどで軽い有酸素運動が可能になり、2週目からは内側の傷がある程度落ち着いて、肩のストレッチで腫れの排出を助けることができます。4週目から軽いウエイトトレーニング、6週目ごろには手術前の運動能力をほぼ回復されます。
この日程も切除範囲と経過によって調整が必要なため、再開の時期は診療で確認して決められるほうがよいでしょう。
相談で一緒に決めるのが切開の位置です。乳輪の下の境界に沿って切開すると、傷跡が乳輪と皮膚の色の境目に位置し、時間がたつほど目立たなくなります。脂肪吸引のための小さな切開が横に加わる場合もあります。
傷跡が残らないという意味ではありません。治る速さや傷跡が薄くなる程度は体質によって差が大きく、赤みが落ち着くまでに数か月かかることが多いです。この部分も手術前にあらかじめお伝えします。
手術後にしたいことをうかがった欄には、こう書かれました。
「手術をうまくしてくださってありがとうございます」
満足度は、手術前の状態と期待値によって人それぞれ異なって現れます。同じ範囲で手術しても受け止め方が違うため、一律にこうなると断定して申し上げることは難しいです。
この方の場合、相談で申し上げた範囲と実際の手術範囲が食い違いませんでした。相談で確認しておかれるべきなのは、その範囲です。