Truman Customer Story Column
「冬にニットを着ること」
女性化乳房の話は、夏の話としてだけ出てくることが多いものです。けれども冬にも着られない服があります。
今日ご紹介する方は、手術後にしたいことを書く欄にその服を書いてくださいました。「胸を張って歩くこと。薄い服を着ること。冬にニットを着ること)」
ニットは厚手ですが、体に張り付きます。薄い服は透けるから避け、ニットは張り付くから避けていると、結局一年中選べる服がわずかに減ってしまいます。
夏だけ不便な問題ではないというお話を、診察室でよく耳にします。服の話から始まって、写真を撮る角度、座る場所、旅行の計画にまでつながることも多くあります。それでいて実際に来院される時期は夏に集中しています。

手術前にいちばん心配だったこととしては、費用の問題を挙げられました。
女性化乳房の手術は健康保険の適用対象です。診察で状態を確認したうえで基準に該当するかどうかを判断し、該当すれば健康保険の適用で進めます。長く先延ばしにしてきた理由の中に費用が入っていることが実際に多いため、相談ではこの部分を先に整理してお伝えします。
初めて来院されたときの印象としては、こう書いてくださいました。「院長先生から室長さんまで、親切だという印象を受けた。」
患者さんが当院で会うのは一人ではありません。受付、相談、診察、手術前のご案内、経過の確認まで、場面ごとに別の人に会われます。その場面ごとの説明が互いに食い違うと、患者さんは何を信じればよいのかわからなくなります。
手術中に記憶に残った瞬間を尋ねると、この方はこう書かれました。「手術しているあいだの記憶がないこと」
当院の女性化乳房の手術は鎮静で行います。眠られたあとに始めるため、手術の過程を覚えていらっしゃる方はほとんどおらず、手術自体は30分前後で終わります。結果についての説明は手術を終えたあと回復室でいたします。
手術直後の12時間から48時間は出血のリスクがある期間のため、圧迫着の上からさらに圧迫をして過ごしていただき、翌日に当院で出血の有無を確認したうえで、その圧迫を外します。
同じ悩みを抱える方々へこの方が残された言葉は、ごく短いものでした。とにかくやって、ということでした。
これは手術を終えられた方の所感です。女性化乳房は程度や形が人それぞれ異なり、手術が必要な場合もあれば、経過を見守るほうがよい場合もあります。診察でご自身の状態を確認されたうえで判断されればよいのです。