Truman Customer Story Column
「音楽をかけてくださってよかった」
手術室では音楽をかけています。特別な意味があって始めたことではなく、長くそうしてきました。患者さんがそのことを体験談に書いてくださることは、思ったより多くありません。
今日ご紹介する方は、初めて来院されたときの印象を尋ねる欄にそのことを書いてくださいました。「音楽をかけてくださってよかった。」
鎮静で行うため、患者さんが覚えていらっしゃる区間は眠りに落ちる直前までです。その数分が、たいていいちばん緊張する時間です。音楽が聞こえるのと機械の音だけが聞こえるのとでは、その数分の感じ方が違います。
私は麻酔がかかったあとに手術室に入ります。そのため、それまで患者さんのそばにいる方々がどんな雰囲気をつくっておくかが大切なのです。

手術中に記憶に残った瞬間をうかがうと、こう書かれました。「寝て起きたら手術が終わっていて記憶がない」
手術そのものは30分前後で終わり、結果についてのご説明は手術を終えたあと回復室でいたします。そのため、患者さんの立場で残る記憶は、眠りに落ちる直前と、回復室で説明を聞いていた瞬間くらいになります。
手術前にいちばん心配だったこととしてこの方が書かれたのは、手術後の管理でした。
実際の日程はこうです。手術直後の12時間から48時間は出血のリスクがある期間なので、圧迫着の上にさらに圧迫をして過ごしていただき、翌日来院されたら出血の有無を確認したうえで、その圧迫を外してさしあげます。この期間は上半身の運動はできませんが、軽いウォーキングや下半身のスクワットはできます。手術部位を直接扱われることはありません。その部分は来院のたびに病院で確認します。
要望を尋ねる最後の欄には、こう書かれました。「待合室が不便だ。」
よかったという答えだけを集めていては、直すところを見つけられません。とても多くの手術を行っているため、患者さんが希望される時間が重なることが多く、個人の待合室が7つあるにもかかわらず足りないことがあります。スケジュールの調整にもう少し気を配らなければと考えさせられます。
手術後にしたいこととしては、運動とともに、いろいろな服を着てみることを書かれました。
女性化乳房で来られる方の中には、暗い色、厚い素材、一枚多く重ね着することで夏を乗り越えてこられた方が多くいらっしゃいます。選べる服が増えるということは、毎朝していた計算が減るということでもあります。
同じ悩みを抱えている方々へは、できるなら早くするほうがよいと思うと残されました。これはこの方が経験されたことであり、手術を受けるかどうかは、診療でご自身の状態を確認したうえで判断されることです。