Truman Customer Story Column
悩みは時期を遅らせるだけ
手術を決めるとき、たいてい引っかかるのは手術そのものではなく、そのあとに続く数日です。
出勤はできるのか、体を洗うのはどうするのか、普段どおり動いてよいのか。今日のお話の主人公も、日常生活が可能かどうかがいちばん大きな心配だったと書いてくださいました。
手術を終えたあと、この方は無理をしない範囲で日常生活が可能だったと書いてくださいました。
この言葉が実際にどのような日程なのかをご案内すると、こうです。手術直後の12時間から48時間のあいだは出血の危険がある期間なので、圧迫着の上から一枚追加で圧迫をして過ごしていただきます。翌日ご来院いただければ出血の有無を確認したうえで、その追加の圧迫を外します。そこからはずいぶん楽になられます。
この期間、上半身の運動はなさってはいけません。ただし軽いウォーキングや下半身のスクワット程度は可能です。何もできずに横になっているだけの時間は思ったより短く、だから息苦しさが少ないとおっしゃる方が多いのです。もちろん回復の速さと必要な制限は手術の範囲と個人の状態によって変わりますので、ご自身の日程は経過を見ながらご案内します。

この方は手術後の痛みが思ったよりなかったと書いてくださいました。これはこの方の場合であり、痛みの程度は人それぞれです。数日は気になったとおっしゃる方もいらっしゃいます。
ただし痛みへの心配が実際の経験より大きくふくらんでいる場合はよく見ます。経験していないことを想像で測るからです。ですから私は相談で「痛くない」と申し上げず、どの時期にどんな不便があり得て、そのとき何をすればよいのかを順にお伝えするようにしています。
手術後にしたいことをうかがうと、この方は体を整えたあと上半身を脱いでみたいとおっしゃいました。体験談の最後にも、しっかり管理しながら生きるという決意を書いてくださいました。
女性化乳房の手術は乳腺組織を整える治療です。その上にどんな体を作るかは、これからご本人がなさることです。運動をしてもその部分だけがそのままで意欲を手放していた方が、手術後は努力したぶんの結果が見えるので管理を続けられる場合が多いのです。運動は回復の時期に合わせて段階的に強度を上げていかれればよいです。
この方が残してくださった一言は短いものでした。悩みは時期を遅らせるだけだ、という言葉でした。
何年も先延ばしにしてこられた方が共通しておっしゃることでもあります。ただし決断の方向まで決めて差し上げる言葉ではありません。今どのような状態なのか、手術で何が変わり何はそのままなのかを確認したうえで決められればよいのです。答えを聞いたうえで、まだそのときではないと判断されるのも一つの結論です。